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梅の花の咲く頃に思い出す・・・!?

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車で自宅の駐車場を出ると、ご近所さんちの

庭木の「梅の花」が咲いていました。

咲いている梅の花を見ると、むかし父が

「梅の花が咲く頃が、一番寒いんだ・・・。」

と、つぶやくように話していたのを思い出します。

・・・こう書くと、私の父がもう亡くなっているような

感じがしますが、父はまだピンピンしております。笑

私が幼稚園時代の年中さんの頃のクラスの名称は

「うめ組」でしたし、高校卒業する際の卒業生から

在校生への記念品(樹)は「紅梅・白梅」だった記憶が

あります。

 私の人生では「梅」は時々登場するというお話しでした。

私が東京の大学の建築学科を卒業してから

建築の世界に入ったのは、今から約35年前となります。
まだ右も左も分からない若造で、現場では毎日上司や

職人さんから怒られていました。

冬の現場は、今よりずっと過酷でした。
仮設の水道はこの時期は(たまにですが)凍っていました。
たとえ仮設水道でも冬場のために配管を「保温する」と

いう言葉と作業を知ったのも現場に出てからでしたね。

現場で雪が降って3センチほど積もり、ホースで

水を掛けて雪を溶かした思い出もあります。

でも、今振り返ると、あのような「いろんな経験」が

あったからこそ、
今の自分の“判断基準”ができたのだと思います。


家づくりというのは、完成してお引渡しをした

瞬間がゴールではありません。

むしろ本当のスタートは、お施主様が引っ越した後に


冬の朝、外出時に何気なく外に一歩出たとき、
夜、給湯器が壊れていて、お湯が出なくなったとき、
災害時、暗闇の中、部屋で一歩目を踏み出した時
こういう「非常時の瞬間」にあります。

・寒くないか?
・不便を感じないか?
・家族が安全に、かつストレスなく暮らせているか?

こうした感覚は、図面や数字だけでは分かりません。


最近は、性能の数値や設備のスペックを

細かく説明する家づくりが増えました。
それ自体は悪いことではありません。

でも私は、どうしても現場の記憶が先に立ってしまいます。

「この配管で、真冬に大丈夫だろうか?」
「この断熱で、朝起きた時に寒さを感じないだろうか?」
「将来、年を重ねた時にヒートショックにならないだろうか?」

こうしたことは、
寒い現場で震えた経験や、凍った水道を前に立ち尽くした記憶がないと、
なかなか実感として浮かびません。


現場で外水道が凍った今朝も、
「やっぱり冬は、こういうところに本性が出るな」
と思いました。

さらに述べると、吉田兼好の書かれた書物には

「家は、夏向きに造るべし・・・」

との記述があります。日本では4季があるので

昔から真夏・真冬を想定して家を造らなければ

ならない、というのが昔からの教えなのです。

家も、人も、仕事も。
寒さや不便さの中で、隠していた弱点が顔を出します。

だから私は、
“ちょうどいい季節”だけを想定した家づくりはしません。

一番条件の厳しい時に、
「それでも大丈夫だ」と思えるかどうか。
そこを基準に考えています。


35年前の自分は、
こんなことを考えながら現場に立っていた

わけではありません。

ただ必死で、
今日をどう乗り切るかしか考えていなかった。

でも不思議なもので、
あの頃の経験が、今になって効いてくるのです。

若い頃の苦労は、その時には意味が分からなくても、
必ず後になってからの“判断力”になります。


今朝、顔を洗う時に、最初は冷たい水が出た時、
「今日も一日、ちゃんと仕事をしよう!」
そんな当たり前の気持ちになりました。

私が小さい頃の家では、手洗い場にて、冬でも

水のままで顔を洗うのが当たり前でした。

今では、しばらく待ってお湯が出るようになってから

顔を洗う、生ぬるい人間になってしまいました。

(お湯は温かいけれども。笑)

派手な話ではありません。
でも、家づくりはこういう進歩と進化の

積み重ねだと思っています。

寒い朝に思い出した、35年前の現場の話。
今日も、現場目線を忘れずに、仕事に向き合いたいと

思います。