日本は南北に長い国だということを、
この時期になると改めて感じます。
北海道や日本海側では「大雪」どころか「豪雪」。
日々の生活に支障が出るほどの状況です。
一方、ここ宮崎も寒さはピークですが、
雪の心配をしなくていいだけでも、ありがたいと感じます。
さて、最近のニュースを見ていて、
正直、少し複雑な気持ちになる話題があります。
それが「食料品に限って消費税を2年間ゼロにする」という政策です。
物価高で家計が苦しい。
この現実は、家づくりの相談を受ける私たちも
日々ひしひしと感じています。
「建築費、上がりましたね」
「数年前に聞いていた金額と全然違いますね」
そう言われるたびに、私も心が痛みます。
だから、国として家計を助けたいという気持ち自体は、
よく分かるのです。
ただ、その方法が本当に「消費税ゼロ」なのか。
そこに、どうしても違和感が残ります。
建築の世界でも同じですが、
安定しているものを、感情でいじると、あとで必ず歪みが出ます。
消費税は、良くも悪くも「安定財源」です。
景気が多少上下しても、税収が大きくブレにくい。
だから社会保障や公共サービスの土台になってきました。
仮に、食品の消費税をゼロにしても、
インフレが進んでいる今の状況では、
価格が本当に下がる保証はありません。
原材料費や物流コストが上がっていれば、
「税は下がったのに、気づけば価格は元通り」
そんな未来は、簡単に想像できます。
これは家づくりでも同じです。
「予算を抑えるために、ここは我慢します」
そう決断されることもあります。
しかし、その結果、
断熱性能が下がり、
将来のメンテナンス費が増えるなら、
それは本当に“得”なのでしょうか。
もちろん、私たちはその点を必ず説明します。
もうひとつ、消費税で気になるのが
「結局、誰が一番得をするのか?」という点です。
消費税は、収入が高い人ほど
支払う絶対額も大きくなります。
つまり、減税すれば一番恩恵を受けるのは高所得層です。
低所得者支援を目的としながら、
結果として余裕のある人ほど得をする。
私は、そういう構造だと思っています。
これも、家づくりでよく見る光景です。
初期費用を抑えるために、
最低限の断熱性能にし、
太陽光発電をやめてしまう。
確かに建設費は下がります。
しかし、住んでからの光熱費は思ったほど下がらず、
快適性も、高性能な家には及びません。
私はこれまで、消費税減税について
比較的はっきり反対意見を言ってきました。
ただ最近は、あえて強く言わないようにしています。
高所得者でも低所得者でも、
消費税を払いたくなければ、
高いものを買わなければいい。
それが、私の率直な考えです。
(年収1000万円の人が軽自動車を選ばない傾向があるのも、現実ですが)
家に関して言えば、
無理のない資金計画で住宅ローンを組み、
長く快適で、ランニングコストを抑えられる家を
提案できる住宅会社こそ、これから生き残っていくはずです。
現実には、
年収400万円の方に
4000万円以上の住宅ローンを組ませる会社がある。
それも事実です。
目先の“安さ”より、
長く続く“安定”。
それが、暮らしを本当に守ります。
いま、2000万円の家を建てれば、
消費税は200万円。
税負担だけ見れば、確かに重い。
それでも、
「家を建てて本当に良かった」
そう思いながら毎日帰れる家をつくる。
そのために、
ハミングホームは、性能も、資金計画も、正直に向き合う。
この姿勢だけは、これからも絶対に譲りません。
家も、経済も、国の仕組みも、
壊すのは一瞬。
立て直すのには、何十年もかかります。
流行りの言葉や、その場しのぎの政策に振り回されず、
「それ、本当に10年後も大丈夫ですか?」
そんな視点を忘れずにいたいと思う、今日この頃です。