先日、とても「宇宙のロマン」を感じる
ニュースを目にしました。
50年前に地球を出発した、ボイジャー1号が、
地球から約259億km、いわゆる「1光日」に
到達する見込みだという話です。
私は「1光日」とは、光が1日に進む距離だと
いうことをこのニュースで初めて知りました。驚
光や電波は1日で259億km進むそうです。
私はフルマラソン42kmを5時間もかけて、
ヒーヒー言いながら走っているというのに…。笑
人間のスケールなど、本当にちっぽけですよね。
それよりも驚いたのは、約50年前にNASAが
打ち上げた探査機が、いまだに稼働し、
通信を続けているという事実です。
通信速度はわずか160bps。
搭載コンピュータは8ビット級。
今の家電製品以下の性能です。
(50年前なので、それはそうですよね。)
それでも壊れず、太陽圏を抜け、
星と星のあいだを飛び続けている。
ここに、私は強烈なメッセージを感じました。
■「最新」より「思想」が残る
住宅業界もこの30年で激変しました。
手描き図面はCADへ変わり、
CADは3Dへ変わりました。そして、
AIが間取りを提案する時代も到来したのです。
若い頃、一週間かけて間取りを考えていた自分が、
少しアホらしく思えるほどです。笑
(それでも私は今でも、自分の頭でプランを
考えています。)
なぜなら、残るのは“ツール”ではなく
“思想”だからと思うからです。
ボイジャー1号が教えてくれるのは、
スペックではなく設計思想の力だと思うのです。
修理に行けない、想定外が起きる。
50年以降も稼働しているかもしれない。
つまり、その前提で設計されていたのです。
■派手さより、壊れにくさ
家も同じです。私は常にこう考えています。
「まずは家の骨格を強くすること。」
断熱・気密・構造・防水などの基本機能・性能。
ここが弱ければ、どんな最新設備も意味がないです。
設備は交換できます。壁紙も張り替えられます。
しかし、構造思想はやり直せません。
流行は10年で変わります。デザインも変わります。
SNS映えも、いずれ色あせます。
でも、家族を守る性能は、色あせてはいけないと
ずっと考えています。
■遅くても、届けばいい
宇宙の彼方から、丸一日かけて届く電波。
決して速くはないけど、でも確実に届いている。
まさに宇宙のロマンですよね。
私は、地域工務店も同じでいいと思っています。
大きな広告はいらないし、派手な演出もいらないです。
一棟一棟、確実に、堅実に、壊れにくく。
50年後、その家に住まわれたお客様から
「この家でよかった!」と言われる家をつくる。
それが私たちの使命です。
50年前に設計した人たちは、
きっと“50年後”を本気で想像していた。
私たちも同じです。
未来を想像できない設計・家づくりに、
価値はないと思っています。
宇宙を飛ぶ探査機に負けないくらい、
長く、強く、静かに家族を守る家を。
その覚悟を、私は今日も熱情を図面に込め、
現場では大工さん・職人さん達が思いを込めて
造っていきます。
※1光日で50年かかるなんて!
では1光年は?――。
人の一生では届かない距離ですよね。
だからこそ、私たちの仕事は
“今”の積み重ねなのだと思います。