ハミングホームのお客様には、それぞれにさまざまな人生があり、家づくりに至るまでの物語があります。
私たちは家づくりの仕事を通して、そうしたお客様の人生や、歩んでこられた道のりを聞かせていただくことも少なくありません。
その中でも、私にとって特に印象深いご家族がいらっしゃいます。
今から20年以上前、ご夫婦はいわゆる「駆け落ち同然」で、九州の外から宮崎へ来られました。
当然ですがお二人にとって宮崎は、親戚も知り合いもいない土地でした。
(まるで映画のストーリーのようですね)
そんな見ず知らずの宮崎で土地を購入され、ハミングホームに家づくりを託してくださいました。
上棟式は、ちょうどクリスマスの頃でした。
(当時は今のように現場監督や営業スタッフもいなかったので、
私が営業・設計・現場管理等を一人で担当していました。)
当時の上棟式といえば、ご両親やご親戚なども現場に集まり、その後は皆さんで宴会をするというのが通例でした。
しかし、そのご家族の上棟式に参加されたのは、ご夫婦と小さな娘さんお二人の4人だけでしたね。
寒い季節の中、ご家族だけで建ち上がったばかりの家を見上げておられた姿を、今でも覚えています。
お二人が宮崎へ来られた当初は、ご両親との間にも大きな壁があったのだろうと思います。
私も当時、その話を聞きながら少し胸が痛んだものでした。
しかし、娘さんたちが生まれてからはご両親とも無事に和解され、何度か故郷へ帰省されたと聞き、私も安心したことを覚えています。
それから20年以上が経ちました。
先日、そのお客様から久しぶりにご連絡をいただきました。
旦那様の定年をきっかけに、宮崎を離れこれまで住んできたこの家を手放して故郷へ戻られることになったそうです。
お引き渡しをしてからも、点検やアフターサービスなどで何度もご自宅へ伺ってきました。
いつ訪問しても、家の中はきれいに片付けられ、とても大切に住んでくださっていることが伝わってきました。
そういえば、間取りの打ち合わせをしていた頃から、奥様の一番のご要望は、
「とにかく収納を!」ということでしたね。笑
ご家族は宮崎を離れられますが、ハミングホームが建てさせていただいた家は、これからも残り続けます。
そして、今度は新しいご家族の暮らしを守っていくことになると思います。
私としては次に住まわれる方も、できれば片付け上手・片付け好きで、家を大切にしてくださる方であることを願うばかりです。笑
考えてみると、家づくりとは不思議な仕事です。
完成したときには小さかった娘さんたちも成長され、今では自立されて、ご夫婦も人生の新しい節目を迎えられました。
家はその間、家族の笑い声や涙、喜びや悩み、そして数え切れないほどの思い出を、ずっと見守ってきたことでしょう。
私たちの仕事は、単に建物を造ることだけではありません。
そのご家族の人生の一部に関わり、思い出が生まれる「世界で一番幸せな居場所」を造る仕事なのだと、今回のご連絡をいただいて改めて感じました。
今はスマートフォンがありますので、遠く離れても簡単に連絡を取ることができます。
その意味では、昔ほど距離を感じることはないのかもしれません。
故郷へ戻られてからも、ご家族皆さまがお元気で過ごされることを心から願っています。
そして、いつかまたお会いできたときには、
「あのクリスマスの上棟式は寒かったですね」
「あの頃は収納の打ち合わせばかりしていましたね」
と、家づくりをしていた頃の思い出話に花を咲かせることができたらいいなぁ・・・。
そんなことを、しみじみと感じた出来事でした。