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【弓道の基礎】射法八節について
account_circle武田 梓

【弓道の基礎】射法八節について

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こんにちは!ハミングホームの武田です。

今回は、以前書いた部活のお話の続きで、弓道の基礎について書いていきたいと思います!

中学・高校の部活で弓道を経験した人なら、一度は耳にしたことがある「射法八節(しゃほうはっせつ)」。
これは、弓を引き、矢を放つまでの一連の流れを八つの段階に整理したものです。
まるで茶道や書道の「型」と同じように、美しい射を目指すための基本となるもの。今回はその概要を紹介してみます。


■ 射法八節とは?

弓道では「ただ矢を的に当てればよい」というわけではありません。
姿勢や動作の美しさ、心の持ち方が重視されます。
射法八節は、そのために必要な動作を順序立てて示したもので、次の八つに分かれています。


■ 八つの動作

1. 足踏み(あしぶみ)
 的に向かって自然に足を開き、安定した立ち姿勢をつくります。
 土台がぶれるとその後すべてが崩れるので、最初の一歩がとても大事。

2. 胴造り(どうづくり)
 腰から上の姿勢を整え、背筋を伸ばしてバランスをとります。
 肩の力を抜き、リラックスすることがポイント。

3. 弓構え(ゆがまえ)
 弓を持ち、矢を番え(つがえ)、射るための準備に入ります。
 ここで心を静めることが、後の動作につながります。

4. 打起し(うちおこし)
 弓を頭の高さまで持ち上げます。
 軽く伸びやかに持ち上げることで、矢の道筋が整っていきます。

5. 引分け(ひきわけ)
 弓を大きく左右に開いていく動作。
 腕だけでなく、背中や全身を使って引くのが特徴です。

6. 会(かい)
 弓を引ききって、的に狙いを定めて静止する段階。
 呼吸を整え、心身が一致する瞬間ともいえます。

7. 離れ(はなれ)
 矢を放つ動作。力を入れて「放す」のではなく、自然に「離れる」感覚が理想です。

8. 残心(ざんしん)
 矢を放った後も姿勢を崩さず、心を残す。
 「余韻」ともいえるこの姿勢が、弓道の美しさを際立たせます。


■ 射法八節を通じて学べること

実際に部活で練習していたときも、この八節を何度も繰り返し注意されました。
当時は「細かいなあ」と思っていましたが、今振り返ると、矢を射る動作を通じて 姿勢や心の在り方を整えること を学んでいたのだと思います。

矢が的に当たるかどうかよりも、まずはこの八節を正しく、美しくできるかどうか。
それが弓道の基礎であり、奥深さなのだと今でも感じます。


■ 最後に

「射法八節」は、弓道を始めるすべての人が最初に通る道。
地味に見えるかもしれませんが、この基礎を繰り返すことで、弓道らしい美しい射につながっていきます。
もしこれから弓道を始める方がいたら、まずはこの八節を一つひとつ意識してみてください。