「休日の過ごし方には、その人の人生が現れる」
そんな言葉を、先日あるコラムで目にしました。
私も、確かにそうだなと感じました。
ふだんの私は、子育て世代のお客様の
家づくりをお手伝いしていますが、
私自身は上の子が今から8年前に、
18歳で巣立ってからというもの、
休日を子どものために使う時間がほとんど
なくなりました。
振り返ると、子どもが小さかった頃の
休日は、ほぼすべて子ども中心でした。
家族で出かけたり、運動会を見に行ったり、
部活の応援をしたり・・・。
平日も習い事の送り迎えや、急な買い物など。
忙しい毎日ではありましたが、
今思えばとても濃く、かけがえのない時間
だったと思います。
(現在子育て真っ最中の方は、いつか
そう思える日が来ますよ。)
住宅会社として家づくりのご相談を受けていると、
「子どもが遊べる家にしたい!」
「子ども部屋はこうしたい!」
という話題がとても多く出てきます。
それは当然のことです。
家を建てるタイミングは、ちょうど子育てが
始まる頃であり、
もしくは子どもが小さい頃が多いからです。
だからこそ、多くのご家庭で
「子育てのための家」
という視点が強くなります。
リビングに家族が集まる家。
庭で子どもが遊べて、バーベキューが出来る家。
帰ってきたら顔が見える間取り。
こうした家は、家族の思い出をたくさん
育ててくれます。
しかし、私が長年この仕事をしてきて思うのは、
家づくりにはもう一つ大切な視点が
あるということです。
それは、
「子どもが巣立った後の人生」
という視点です。
子どもと一緒に暮らす期間は、意外と短いものです。
もし18歳で家を出るとすれば、
一緒に暮らす時間は20年前後。
しかしその後の人生はどうでしょう。
50歳から80歳以上まで生きるとすると、
30年以上の時間が残っています。
実は、家は「子育て後」の時間の方が長く使う
可能性が高いのです。
ところが家づくりの計画では、
この視点が意外と忘れられがちです。
子ども部屋の広さや収納の量は考えるのですが、
「子どもがいなくなった後、この家でどう暮らすか?」
という話は、あまり出てきません。
しかし人生後半の時間は、本来とても
自由であり、重要な時間でもあります。
人によって過ごし方はさまざまですが、
その時間を豊かにしてくれるのも、やはり「家」です。
例えば、
子ども部屋が将来、趣味部屋になる。
夫婦でゆっくり過ごせるリビングがある。
庭でコーヒーを飲める場所がある。
小さくても、自分の書斎がある。
そんな空間があるだけで、人生後半の時間は
ずいぶん豊かになるのではないでしょうか。
もちろん、子どもが巣立った後にリフォーム
することも可能です。
しかし家づくりの段階で少しだけ未来を想像しておくと、
住まいの価値はもっと長く続くように思います。
家は、ただ住むための箱ではありません。
そこには家族の思い出が積み重なり、
人生そのものが刻まれていきます。
だからこそ――
「子育てのためだけの家」で終わらない。
子どもが巣立った後も、
夫婦で、そして自分自身の人生を楽しめる家。
そんな住まいづくりが、これからの時代には
ますます大切になっていくのではないかと、
自分自身の経験から最近になって改めて
感じています。
今日は、ショールームにてお客様と水回りの
打ち合わせでした。
まだ1歳になったばかりでヨチヨチ歩きの
可愛い子どもさんの相手をしながら、
いつかこのお子さんも、家を巣立っていく日が
くるのだろうなぁと、思ってしまいました。